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すぐにウーロン茶も届けられ、お料理が出揃った。
「じゃあ、食べようか」
「はいっ」
和也さんの優しく注がれる眼差しに、そして、いつもとは違う空気に恥じらいながら返事をした。
「璃子、会社が変わってから、俺を支えてくれてありがとう。姿はお見せ出来ないけれど、璃子のおかげで、きちんと仕事をがんばれてるよ」
「……和也さん」
突然告げられた感謝の言葉に、あたしの心が、キュンと音をたてながら軽くタップを踏み始める。
「璃子、ありがとう」
改めて和也さんが、熱い眼差しを送る。
「あっ、あのっ……」
和也さんのイタズラな眼差しが、あたしを瞬間湯沸し器のように一気に沸騰させる。
「感謝してるよ」
和也さんのだめ押しの言葉が、あたしの心を押し倒した。
『ピーッ』ってヤカンが沸騰をお知らせするかのように、あたしは、湯気でも出てるんじゃないかって自分でも思うくらいに真っ赤になった。
和也さんが、あたしの様子を見ながら満足気に微笑む。
でも、茶化してる訳でも、からかってる訳でもなく、真剣な眼差しが注がれ、お互いに絡まった。
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