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「食べようか?」
「……はい」
和也さんに告げられた感謝の言葉が、あたしの胸をジワッと、いっぱいにする。あたしでもお役にたててるんだと自信をくれる。
うれしくて、くすぐったくて、幸せで……
優しく満たされながら、温かな晩餐が始まった。
「綺麗すぎて、食べちゃうのがもったいないね」
「そうだね」
「うわぁーっ、薄い味つけなのに味が染みてて美味しいねぇ」
「そうだね」
「和也さん、これ食べてみて」
「どれ?」
「その、小さな、それっ」
「んっ?この食材は何だろうね?」
ふたりの穏やかな会話が続く。
静かに……
緩やかに……
温かな言葉が交わされる。
時の経つのを忘れるくらい、感じないくらいに、時がふたりの邪魔をしないように、そっと、そっと過ぎて行った。
「もう、お腹いっぱい。幸せ♪」
「それはよかった」
「和也さん」
「んっ?」
「……ありがとう」
「……あぁ」
お互いに遠慮なく、素直な言葉が、素直な気持ちが交わされる。
素直なふたりだけの時間が、自然と笑顔を溢れさせ、優しく温かな空気を生み出した。
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