1496人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ……」
優輝さんは、メニューをあたしにも見せてくれた。
「俺の食べたいものを注文していいかな?」
「はい。何でも黙って食べますっ」
「クスッ……よろしい!
サラダと鶏料理から一品と、パスタに……」
「優輝さん」
「んっ?」
「あたし、そんなに優輝さんとおんなじ量は食べれませんよ」
「あぁ、そうか。じゃあ……」
「取り分けるようにしましょうよ」
「いいね。そしたら色々食べれるなぁ」
「ですね。あとは、優輝さんのオススメに従います」
「クスクスッ……だなっ。デザートは?」
「それは、選ばせてください」
あたしたちは、それぞれの好みを話し合いながら、注文した。
優輝さんにはビール、そしてあたしにはソフトドリンクが運ばれ、乾杯した。
「すいません」
車の運転があるからと、アルコールフリーのビールを飲んでくれた優輝さんに、あたしは乾杯直後、謝った。
優輝さんは、フッと一瞬笑って優しい微笑みを浮かべた。
「素敵なお店ですね」
「そう?」
「いつもは、どなたといらっしゃるんですか?」
「今夜は、璃子と来てるけど」
「違いますって、だって……」
あたしはそのまま視線を少し離れた隣の席と、その奥の席へと動かした。
最初のコメントを投稿しよう!