ずっとそばにいてくれたね 第28話

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「じゃあ、璃子の言いたいことをまとめると、渡グループの社長である隼人さんと、いち会社員の冴子の結婚は、あり得ないって事?」 「えっ!?冴子さんは……」 「冴子は?」 「……」 北川財閥のご令嬢じゃん!言えない言葉が、尚もあたしの発言を阻む。 「冴子は、なに?」 「……あの、やっぱりいいです」 あたしは、聞くのを諦め俯いた。 「じゃあ、今度は、俺から璃子への質問」 「はっ、はい」 「誰に聞いたのかな?」 「えっ!?」 「俺と冴子の個人情報?」 優輝さんの心を見透かすような鋭い眼差しが、グサリと刺さった。 「……」 マズイ……さっきの隼人さんと冴子さんの結婚の話が引っかけだったんだ。 ……完敗だ。 「和也に聞いたんじゃなさそうだね」 「……」 言葉も出なければ、あたしは視線をさ迷わせた。 「秘書室で聞いたのでもないな」 「……」 優輝さんは、ゆっくりじわりとあたしの首を絞めてゆく。 「璃子は、誰に聞いたのかな~」 優輝さんは、ニヤリと笑った。 あたしは、ゴクリッと喉を鳴らした。
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