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スクロールさせた先に出てきた写真には、コーヒーカップを見つめながら、とても穏やかで、優しい微笑みを浮かべた紳士が写っていた。
……えっ!?
思わず写真を2度見した。
……はっ!?
その紳士は、紛れもなく、見間違うはずもない、和也さんだった。
えっ!?何これ!?
一瞬でフリーズした頭が、驚きながらも、あたふたと情報収集に駆け回りはじめる。
視線はさまよい、身体は強ばった。
「璃子?」
「はっ!?」
突然、優輝さんに声をかけられたあたしは、飛び上がるほど驚きの返事を返しながら、携帯を鞄に投げ入れた。
「どうした?」
明らかに様子のおかしいあたしを、不思議そうな優輝さんの眼差しが追いつめる。
「えっ!?なっ、なにも」
「写真、何が写ってた?」
「ええっ!?何って!?」
和也さんが……。
もう優輝さんにバレたのかと、あたしは驚きの声をあげた。
「幸せのツーショットだったのかな?」
あっ……そうだった。さすがの優輝さんだって、すべてを見抜けるハズはない。あまりの衝撃でブッ飛んでしまっていた写真を見るまでの会話が、ゆっくりと甦る。
「あっ、おっ、お相手の写真でした」
「お相手の?それはまたずいぶんと自信満々な。自慢したくなるくらいのイイ男なんだね?」
「……自慢したく…なる…くらいの……」
思わず優輝さんの言葉を繰り返しながら語尾がフェードアウトしてゆく。
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