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「例えば……こんな感じがいいかと思うんですけど!」
あたしはそう言うと、机に片肘をついてほう杖をつくと、顔を傾け、斜め下から優輝さんを見上げて続けた。
「美紅。社員になって海外事業部で一緒に働いてくれるとうれしいんだけど……。キラーン♪」
「……」
「……」
「……璃子」
「はい」
「それって……。確認したくないけど、もしかして、俺のまね?」
「ええっ!?もちろんそうですよ!ほかに、誰のまねだって言うんですか?」
「最後のキラーンは?」
「ええっ!?もしかして、自覚ないんですか?」
「……ないね」
「それは、コッチがびっくりです。いつも瞳が輝いていますよ!」
「いや、俺の方が、びっくりだよ」
優輝さんは、頭を抱えた。
「上手いでしょう?結構評判いいんですよ♪」
「誰に?」
「冴子さんと村上姉さんですよ♪」
「あいつら……」
沈黙のまま、優輝さんはあたしを凝視した。
「ダメですか?」
「ダメだろう」
「ご本人のお墨付きもらえると、うれしいんですけど」
「ダメだろう」
「そうですか……。じゃあ、もっと磨きをかけます」
「璃子、そっちじゃなくて……」
「えっ!?」
「まねしちゃあ、ダメだろう」
「そんなに酷かったですか?」
「だから、違うって」
それだけ言うと、優輝さんは吹き出して笑った。
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