ずっとそばにいてくれたね 第28話

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「えっ!?」 「何があった?」 「えっ……」 「さっきのメール。いや、写真見てから様子が変だから」 優輝さんの眼差しが、何かを見抜こうとする。 「えっ!?何にもないですよ」 まだ、聞いてほしくない。そんな気持ちからか、答えながら目線を逸らした。 「そう?」 「ええ」 これ以上は、聞かないでほしい。 そう思った瞬間だった。 掴まれた右手首が、ゆっくりと離された。 「ならいいんだ。璃子は、抱え込むところがあるから、あんまり、ひとりで考え込むなよ。困った事があったら和也も居ないんだし、ちゃんと相談しろよ」 ふと見上げた先には、優輝さんの優しい眼差しがあった。 「ありがとうございます。 まっ、また技を出してるでしょ!?あたしで試すのやめてくださいよ」 あたしは、揺らぐ心を悟られないように、明るく切り返した。 「よしよし。これも有効っと」 なんて言いながら、優輝さんは、あたしの切り返しに乗ってくれて、手のひらにメモをとるフリをした。 車から降り、ドレスをいただくと、走り出した車をそっと見送った。 優輝さんは、あたしの心を察して、踏み込む事をやめ、気づかないフリをしてくれた。 「ありがとうございます」 あたしは静かに呟いた。 生温かい風が、あたしの肌にまとわりつきながら通りすぎた。
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