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『仕事だよ』
優輝さんが、以前のパーティーの時に言ってくれた言葉が甦る。
そうだよ！渡グループの専務なんだもん、たくさんの接待などで女性と食事なんてよくあることで、そんな事を気にしていたって仕方ないんだから！
でも、麗香さんが縁談進めてるって言ってたって事は、接待なんかじゃなくて……。
麗香さんは、あたしと和也さんがつき合ってる事を知らないんだから、早く教えて解ってもらわなくっちゃ！
でも、本当にそうなら、縁談が進む前に、とっくに和也さんがあたしとの関係を伝えているはずで……。
次から次へと生まれる疑問のすべては、この和也さんの写真にことごとく否定され、新たな疑問と矛盾を生み出していた。
和也さんは、この時、何を考えていたのだろうか？
麗香さんと何を話していたのだろうか？
微笑みを浮かべた表情は、何かを愛でているようで、写真を見ているあたしまでもが思わず微笑んでしまうほど、とてつもなく優しい。
一緒にいる方に、ましてや外で、和也さんがこんな表情を見せるなんて、そして写真を撮らせるなんて。
どれだけ心を許している空間だったのだろうか。
あたしは、和也さんに、こんな心を解放できる空間を作れるだろうか？
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