ずっとそばにいてくれたね 第28話

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******** ランチタイムを迎え、俺は何度も携帯画面を確認していた。 ……おかしい 今まで、この1ヶ月以上、一度だって璃子からメールが来なかった日はなかった。 休みの無かったお盆休みに、体調を崩したのだろうか? それとも、何かがあったのだろうか? たった一度メールが来ないだけで、こんなに心が乱されるなんて…… それだけ璃子はきちんとした女性であり、俺の心には無くてはならない存在だった。 電話をかけるには、日本はすでに深夜。今更、起こす事になっても申し訳なくて、俺は何度も携帯を触りながら、落ち着かない心をもて余していた。 「寝ちゃったんですよ」 声と同時に、コーヒーが差し出された。 声のする方を見れば、拓巳が、ニヤリと笑っていた。 「ありがとう」 「いいえ」 「ところで、何が、だ?」 「とぼけても無駄ですよ。璃子からのメール待ってるんですよね?」 「……」 明確に心を言い当てられ、言葉を失った。 「大丈夫ですよ。アイツに限って、浮気は無いです。忠犬ハチ公も驚くほどの真面目っぷりですから。松本さんの帰りを『待て』して待ってますよ」 「からかうなよ」 「すいません。ですが、専務の心の負担を減らすのも、私の仕事ですから」 拓巳は、真剣な表情で俺を見た。 俺は、フッと頬を緩め、コーヒーを口に含んだ。
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