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夕方には、『寝ちゃっててメール送れなかったの。ごめんね』なんて可愛いメールを期待していたものの、その後も、璃子からのメールは届かなかった。
こんな日に限って、俺自身も会議が長引き、璃子への『おはようメール』を送ることが出来なかった。
夜、部屋に戻り、時計を見る。
「日本は、お盆休み明けの午前中か……間違いなく忙しいな」
携帯を片手に、ひとり呟いた。でも、どうしても気になった俺は、自然と璃子へコールしていた。
『おかけになった番号は、現在電波の届かない場所にあるか、電源が入っていない為にかかりません』
えっ!?
機械のメッセージが、俺を冷たくあしらい、不安を煽った。
もし、病気なら、村上や冴子がいるし、あのふたりから冷やかしの連絡が入るはず。
じゃあ?優輝に聞こう。
携帯を片手に、ふと手が止まった。
なんて言って聞くんだ?
璃子からメールが来なかったから?
『和也、お前、初恋の中学生かよっ』って言われるのがオチだな。
あーったく……
俺は、もどかしさで、頭をクシャクシャとかいた。
その時、驚くタイミングで携帯が鳴った。
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