ずっとそばにいてくれたね 第28話

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ディスプレイには、『冴子』と表示されていた。 えっ!?まさか!? 俺は慌てて電話に出た。 「もしもし!璃子に何かあったのか!?」 『あら、なぁ~に、それ?』 電話口の向こうで、クスクス笑う冴子の声が響いた。 ……シマッた。 「どうしたんだよ?」 『あらあら、和也君ったら、大好きな璃子ちゃんとケンカでもしちゃったのかな?』 「冴子、茶化すな。用件はなんだ?」 『んっ?ごめんなさいね別件で♪ パーティーの記念品の話よ。会社関係は、すべてお任せしてるけど、本当の身内にはどうするかって隼人に聞くように頼まれたから』 「あぁ、お前に任せるよ」 『了解!じゃあ、手配しとくわね』 「あぁ、頼むよ」 『それじゃあね』 「あっ、冴子!」 忙しいのだろう、用件だけで切ろうとした冴子を呼び止めた。 『なぁに?』 「その、……璃子は、いるか?」 『はっ!?なにそれ?』 「いや、別に……」 『うーん。秘書室に居るわよ。メーカーさんと話してる』 自分の席からフロアを見渡したであろう冴子が、サラリと状況を伝える。 「そうか、ならいいんだ」 仕事に行ってるなら大丈夫。状況を聞いた俺は、ホッと胸を撫で下ろした。
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