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楽しくお昼も食べ、あたしは優輝さんの邪魔をしないように、素早く会議室から退散した。
秘書室に戻ると、和也さんに教わったやり方でファイリングしたり、備品の補充や頂き物の整理など、日頃、後回しになりがちな仕事を一気に片付けた。
「璃子、おまたせ」
夕方になり、優輝さんがやってきた。
「あっ、すいません。すぐにデータ保存して片付けますから……」
「ゆっくりでいいよ」
そう言うと、優輝さんはあたしのデスクの前に座った。
ノートパソコンのモニター越しに、ジッとあたしを見つめる優輝さんと視線が交わった。
「どうしたんですか?」
「んっ?璃子の秘書室姿も、板についてきたな~って思って」
「ありがとうございます。ですが、キラーンの眩しい眼差しは、照れるのでやめてください」
「お前には効かないだろ?」
「えっ!?」
「いいや。こっちの話」
あたしは、パソコン画面に気をとられ、優輝さんの言葉が聞き取れなかった。
「はいっ、終わりました」
「じゃあ、行こうか?」
「はい」
すでに最後だったあたしたちは、戸締りをして会社を出た。
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