ずっとそばにいてくれたね 第28話

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『なになに!?』 案の定、冴子がツッコミを入れる。 「携帯の電源が切れてるみたいだから、確認するように伝えておいてくれ。じゃないと仕事に支障が出る」 サラリと用件だけ告げた。 『ふーんっ。業務連絡みたいな事言ってるけど、声を聞こうとしたら繋がらなかったのねっ。純愛じゃん♪ っていうか、放りっぱなしだから、拒否られてんじゃないの?』 「なっ!?」 『ちゃんと心の声を聞いてあげてるの? 時差って結構厄介でしょ? 待ってる方は、長く感じるし、淋しいのよ。相手を想えば思うほど言いたいことも、わがままも言えなくなるんだから。それに相手は、まだまだ汚れを知らないかわいいひよっこ璃子ちゃんなんだから、あんまり頑張らせすぎると、潰れちゃうわよっ』 「……わかってるよ」 『クスクス……じゃあ、ごめん!本当に忙しいから。またかけるわっ。携帯の件は伝えとくから』 「あっ、冴子!余計なこと言うなよ!」 俺の声が届く前に、冴子の電話は切れた。 「はぁーっ」 思わず大きなため息が零れた。 でも、よかった。元気なら。 そして俺は、璃子の携帯が復活した時に読めるようにと、璃子の笑顔を思い浮かべ、愛しい気持ちに包まれながら、いつもよりも長めにメールを書いた。 そして、今は遠いけれど、気持ちは誰よりもそばにいて、誰よりも愛しているという気持ちを込めて送信した。
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