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化粧室に入ったあたしは、手前の鏡がある寛ぎの部屋のソファーに腰をおろした。
「はぁーっ」
自然と大きなため息が零れた。
ここ最近続いている寝不足と、食欲不振に続き、和也さんに会う極度の緊張と、会場の空気に圧倒された事と。
すべてが、あたしにダメージを与えていた。
正直、身体は限界で、ふらふらして、とても重かった。
「あと少し。今日までがんばれ!」
これ以上、優輝さんをはじめ、みんなに迷惑をかけたくもない。
それ以上に、自分が1番解決したくて仕方のない事なんだから……。
あたしは、鏡越しに気合いを入れた。
その時だった。
「あらっ、璃子さん」
あたしは、突然声をかけられた。
あたしは、自分が思っている以上に、疲れていたのかもしれない。
だから、全然、人が近づく気配になんて気がつかなかった。
しっとりと少し高めの聞き覚えのある声。
ふと、見上げた先に居たのは、あたしが、今1番会いたくない、会ってはいけない人だった。
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