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「露出が多すぎる」
かわいくて堪らないくせに、でも、そんな胸の内をしられないように、隼人には敢えて不機嫌なふりして答える。
「そうか?冴子に比べたら、全然だな。美しいものは、勿体ぶらずにみんなで愛でるものだよ。特に女性はね。なっ、和也」
隼人は、そんなことお構いなしで、すべてを見透かしたように、俺をからかう。
……ったく。
すでに、隣にいる男が、愛ですぎなんだよ!
俺は、優輝に『触るな!』と言わんばかりにギッと鋭く視線を送った。
優輝は、挑発的にニヤリと微笑むと、璃子にそっと寄り添ってみせた。
クソッ!優輝の奴!!
「奪いに行くかどうかは、専務のご采配にお任せ致します」
隼人が、尚も煽るように、俺に耳打ちした。
思わず隼人を睨むと、その横で、冴子がクスクス笑っていた。
仲間のサプライズに、ヤられながらも、数時間早く璃子を見ることが出来た喜びに、胸がギュッと締め付けられると同時に、愛しくて堪らない想いが溢れ出るのを感じた。
てっきり、すぐに優輝が俺の元へと連れてくると思っていたが、璃子に何かを話しかけた優輝は、そのまま会場の外へと向かった。
なんだか様子のおかしい璃子を気遣っての行動だろう。
どうしたのだろうか?
この3週間、送られてくるメールも、正直、一歩あいだをあけられているような内容だった。
体調でも悪いのだろうか?
気になった俺は、次々に招待客に捕まりながらも、ふたりを追って出口に向かって歩みを進めた。
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