◇◇ 第39章 新たな決意 ◇◇

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「あの日の夜、俺は、和也、お前から璃子を奪ってやろうと思っていたんだ」 「……」 「かなり本気で告白した。 和也を忘れさせてやるってな」 何かがあったであろうとは思っていたが、親友の告白に衝撃を覚えた。 コーヒー片手に、視線が交わる。次の瞬間、優輝が笑った。 「だが、駄目だった。 璃子は、何て言ったと思う?」 「……なんて?」 「脈なしって解ったから、すぐに、はぐらかしたんだ。軽く冗談言いながら笑いあった。 だが、その後、夜景を見ながら璃子は無邪気に呟いたんだ……」 「……」 俺は、思わず息を飲んだ。 優輝は、一瞬、思い出すような切ない眼差しを浮かべたあと、まっすぐに俺を見て口を開いた。 「『あたしに初めてをたくさん教えてくれた人だから、もう一生、和也さんの事は忘れられないと思う』 そう言ったんだ。 解るか!?忘れさせてやるって言ったのに、忘れられないってな」 「……優輝」 俺は、あの日、優輝が憔悴していた理由を知った。 「だから何だと言うかもしれないが、璃子は、和也、お前を忘れる事なんて出来ないと思う。 1日でも早く、仕事を片付けて戻って来い!」 「……優輝」 「早く、安心させてやってくれ」 まっすぐ向けられた眼差しが、俺を励ましていた。 「わかった」 俺は、力強く頷いた。
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