ずっとそばにいてくれたね 第31話

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えへへ……なんて笑って、気まずい空気を追い払いながら伝えた。 「フッ。じゃあ、携帯は?」 拓にぃは、あたしの気持ちを察してくれたのか?会話を切り替えて続けた。 「どうせ鳴らないから大丈夫!」 「それで手ぶらかよっ。お前は小学生かっ」 「ムッ……」 あたしは、今度は『だんまり』戦法を繰り出した。 「コラッ、黙るな!」 拓にぃの声にチラッと視線を送る。バチッと合った視線に、お互いに吹き出して笑った。 笑いながら歩いていると、公園の前に出た。 「うわぁーっ懐かしい。遊具が小さく見えるよ」 「だなっ」 「ほんとっ、あの頃は楽しかったなぁ……」 思わず、マイナスの言葉が零れて、『しまった』と思った。 「そうか?遊具から落ちてびーびー泣いてただろ?」 「1回じゃん!」 ムキになってキッと睨めば、拓にぃが、おどけた表情をする。 20年のキャリアだろう。テンポの良い会話のキャッチボールは、あたしの心を軽くしていった。
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