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「「こんばんは~」」
「あらっ珍しい!いらっしゃい」
子どもの頃からの顔馴染みのおばちゃんが、笑顔で迎え入れてくれた。
カウンターに座ると、おばちゃんは、すぐにお冷やとおしぼりを運んで来てくれた。
「璃子ちゃん綺麗になったわねぇ~」
「いやぁん、おばちゃんったらー」
懐かしいおばちゃんの褒め言葉に気持ちがはしゃぐ。
「彼氏でも出来たのかな?」
「うぐっ……」
……撃沈。
悪気のない言葉は、切れ味を増して鋭く刺さる。
「おばちゃん、とりあえず生ビールと……璃子は?」
言葉に詰まっているあたしを救い出すかのように、拓にぃが、注文をした。
「あ、あたしは、ピーチ酎ハイ」
「おばちゃん、あとは、おすすめコースをふたり分で」
「はいよっ」
おばちゃんは、笑顔で笑いながら注文を繰り返した。
生ビールと酎ハイがすぐに届けられた。
「では、拓にぃいただきます」
「どうぞ」
カツンッとジョッキを合わせて乾杯した。
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