◇◇ 第40章 新たな一歩 ◇◇

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璃子への連絡を、敢えて絶っているこの状況では、璃子が誰に会おうと、誰に心を惹かれ、癒されようと、俺が口出し出来る訳はなかった。 普通の男が相手なら、璃子が簡単に心を許すことはない。 だが、拓巳は、別だ。 拓巳の璃子に対する想いには、幼なじみ以上の重みを感じる。 自分と同じ、熱い想いを感じる。 「フッ……」 みっともない程に、心が乱されている自分に、笑いが零れた。 璃子……キミの事になると、どうしようもなく小さな自分が露呈するよ。 自分の心をどれほど占領し、どれほど自分が、キミにほだされているのかが解るよ。 璃子…… 逢いたいよ…… ……キミに、触れたい。 例えようも無いほどの胸の締め付けを味わいながら、ジントニックを流し込む。 どうしようもなく、どうすることも出来ない事が、イヤと言うほど解っている現実。 今の俺に選択肢はない。 ただひとつ……璃子を信じるのみ。 俺は、今夜も、ただ、ただ、もがきながら、夜の孤独に耐えていた。
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