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「璃子ちゃん、準備して。更科君のお店にお食事に連れていってくださるそうよ」
「えっ!?あたしですか!?」
薫さんに突然フラれた会話に、驚くあたしを3人が笑う。
「そうよ。璃子ちゃんよ」
「でも、まだ、勤務中ですから」
「あらっ、今日は、もういいわよ」
「でも……」
「璃子ちゃん、たまには素敵な男性とお食事でもしておかないと、いつも、私や房子さん相手だと干からびちゃうわよ」
「えっ!?」
「クスッ……ほら、早く支度して。
優輝、璃子ちゃんは、そのままご自宅まで送り届けてね」
「もちろんです」
突然の優輝さんとのお食事が、決まってしまった。
支度といっても、机を片付け鞄を持つだけで、あたしは玄関に向かった。
優輝さんは、車の後部座席に、更科さん宛の段ボールに入った荷物を積み込んでいた。
「お待たせしました」
「「いってらっしゃい」」
薫さんと房子さんに見送られ、優輝さんの車に乗り込んだ。
車は、ゆっくりと雨の中を走り始めた。
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