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「大丈夫ですよ」
「んっ?」
「村上姉さんと坂本さんは、ちゃんとふたりで手を取り合ってました。
あたしが言うのもおこがましいですが、海外事業部の大変さも、夫婦になる覚悟も、全部ひっくるめて、ちゃんとふたりで寄り添って立ってました」
優輝さんは、運転しながら、チラリとあたしの様子を見た。
「ありがとう。璃子」
「あたしの、見たまま、感じたままのふたりの感想です」
「いい夫婦になりそうだな」
「はい。素敵な関係を築かれてました」
あたしも優輝さんをチラリと見て、ふたりで微笑み合った。
ランチにしては少し遅めに更科さんのお店に到着した。
しとしとと、まだ降りやまない雨の中、あたしは、段ボールを運ぶ優輝さんに傘をさした。
「おぉ優輝、サンキュー。助かったよ」
迎えに出ていた更科さんが扉を開けて、あたしたちは中へと迎え入れられた。
「璃子ちゃん久しぶり」
「更科さんこんにちは。お久しぶりです」
更科さんは、穏やかな眼差しであたしを包んだ。
優輝さんとあたしは、いつもの奥の個室へと通され、テーブルにつくと、更科さんもいつも通りに前後をひっくり返した椅子に股越しで座った。
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