◇◇ 第48章 光が降り注ぐとき ◇◇

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月が、ニューヨークの街を照らしていた。 コートの襟を立て、一歩一歩、力強く踏み出す。 肌には刺すような冷たい風が当たっていたが、気持ちは、ずいぶんと晴れやかで、心は、ほっこりと暖かだった。 「璃子……」 愛しい名前を、そっと呟く。 ただそれだけでも、胸には、じんわりと染み入るような温もりが広がった。 隼人からの電話の内容は、青木グループが、巨額の粉飾決算で摘発されると言うものだった。 ………… …… 『和也いいか!よく聞け! あと数時間後に、青木の会社と自宅に警察が入る。青木の親父には、逮捕状も出ているようだ』 「えっ!?」 『詳しくは解らないが、今まで動けなかった警察が、動けるようになったと言うことは、何か、有力なリークがあったのだろう。 見えない、大きな力が働いたようだ』 「見えない……大きな力?」 『あぁ、女神が微笑んだのかもしれないな』 「……女神」 『どちらにせよ、俺たちにとってはチャンスだ。 日本の方は、すでに手を打ってある。 ニューヨークは、任せたぞ』 「あぁ、解った」 …… …………
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