◇◇ 第48章 光が降り注ぐとき ◇◇

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その後は、日本からの余波で揺らがないよう、ニューヨークの体勢を整えた。 そして、何も知らずに訪れた麗香と相対する事となった。 さっきの麗香にかかってきた電話は、間違いなく日本の秘書からのものだろう。 積み重ねた悪事が、ついに回り回って自分たちの首を締めた結果だった。 『和也、これから日本が騒がしく、忙しくなるぞ。 早くそっちを片付けて、戻って来いよ』 電話を切る前に、隼人が、言ったセリフが頭の中で繰り返される。 いつものニヤリとした余裕の笑顔を浮かべている姿が、目に浮かぶ。 だが、言葉とは裏腹に、隼人への負担は、計り知れない。 ここが、俺たち若き経営者の本当の真価を問われる踏ん張りどころとなるだろう。 ホテルの前に差し掛かると、拓巳が壁に持たれて立っているのが見えた。 俺の姿を確認すると、俺の方に向き直り、笑顔を向けて迎えた。 「松本さん、お疲れさまでした」 「あぁ、どうした?」 「一緒に飲みたくて。今夜は、俺が、アイツの代わりに奢ります」 「そうか……」 アイツとは、璃子の事。 お互いに言葉にはしないが、拓巳は、麗香と決着をつけてきた俺を、労うように迎えた。 夜空の月は、俺たちを優しく照らしながら、そっと辺りを包み込んでいた。
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