◇◇ 第49章 聖なる夜の魔法 ◇◇

2/6
1654人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「うんっ、OK!我ながら、かわいく仕上がったっ」 鏡の前でくるりと一回転しながら呟いた。 今日は、村上姉さんの結婚パーティー。 夕方からのパーティーに備えて、朝からウキウキで支度を整えた。 とても柔らかな生地のシャンパンゴールドのワンピースは、ハイネックの長袖で、裾が加工されていて、跳ねるようにクリンクリンになっている。 これは、数日前に薫さんからプレゼントされた物だった。 ………… …… 「璃子ちゃん、結婚パーティーに着ていく服は、決めてるの?」 「えっ……」 考えてなかった…… 「特に決めていないなら、これなんてどうかしら?」 あたしの表情から察した薫さんは、2階の自室から、ドレスを持って降りてきた。 「うわぁ~」 膝丈のAラインのワンピースは、文句なくかわいかった。 「気に入っていただけたかしら?」 「気に入るも何も……かわいすぎます!」 「そう。じゃあ、これと……」 そう言うと、今度は、筆箱ぐらいの白い箱を開けた。 箱の中には、真珠のネックレスと、一粒真珠のピアスが、お行儀よく座っていた。 「うわぁ~」 先程から、感嘆の声しかあげていないあたしに、薫さんは、続けた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!