◇◇ 第49章 聖なる夜の魔法 ◇◇

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「いい、璃子ちゃん。このドレスに、この真珠をつけてね」 「こ、こんな高級なお品ものは、お借りできません!」 「何いってるの。貸すんじゃないわ。これは、璃子ちゃんへのプレゼントよ」 「えっ!?」 「そおねぇ。冬のボーナスってところかしら?」 「ええっ!?そんな、ボーナスなんていただけません」 「あら、璃子ちゃんに着てもらえないと悲しいわよね~」 薫さんは、ドレスに向かって話しかけていた。 「璃子ちゃん、あなたの為に用意したんだから、もらっていただけないかしら?」 薫さんは、柔らかく私に微笑んだ。 「……本当に、よろしいんですか?」 「もちろん。その為に、ヨーロッパで買ってきたんだから」 ヨーロッパ!? ドレスと真珠は、薫さんが、ご主人との旅行の時に、探してくださったものだった。 「ありがとうございます」 あたしは、薫さんのお心遣いがうれしくて、大きな声で感謝の気持ちを伝えた。 「その代わり、翌日のわが家のクリスマスパーティーには、素敵な男性をゲットして連れてきてね」 「ぐはっ!?」 薫さんのジョークに、あたしは、声にならない言葉を発した。 ………… ……
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