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店内に入ると、普通の結婚式の披露宴とは違い、2人席や、4人席など、それぞれが楽しめるようにという配慮からか、いろいろな席が、とてもおしゃれに配置されていた。
所々に、フリーの椅子が置かれていて、自由に動き回れるようにもなっていた。
招待客は、会社の同僚が多いと聞いていたけど、元々、大きな会社だし、面識の無い方ばかりだった。
「拓巳!」
奥から聞こえた声の先には、優輝さんが手を挙げていて、あたしたちを呼び寄せていた。
拓にぃとふたりで、奥のテーブルに向かう。
1番奥の8人掛けのテーブルには、隼人さんと、冴子さんと、優輝さんと、美紅ちゃんと、更科さんがいた。
「お疲れさまです」
「こんにちは」
あたしたちは、挨拶をすると、それぞれ呼ばれて、促されるままに椅子に座った。
あたしは、隼人さんの隣に、拓にぃは、美紅ちゃんの隣に座った。
まさに、『いつものメンバー』が、そこに居た……和也さんを除いて。
「璃子ちゃん、久しぶりだね。元気だった?」
「はい。おかげさまで」
久しぶりに会う隼人さんの、涼しげな笑顔は、健在だった。
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