ずっとそばにいてくれたね 第37話

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いつまでも、沈んでちゃいけない。心配かけちゃいけない。 あたしは、車内の空気を変えようと、必死に会話の糸口を探した。 あっ、そうだ…… 「ねぇ、拓にぃ」 「ん?」 「明日のクリスマスって、夕方からひま?」 「えっ!?明日?そんなの予定びっしりに決まってんだろっ」 明らかに動揺を見せた拓にぃに、あたしは、すかさずツッコミを入れた。 「へぇーっ、さすが、よりどりみどりの拓にぃは、忙しいよねーっ」 「まぁな、引く手あまただからな」 「じゃあ、いいやっ」 「なんだよ。聞くだけ聞いてやるから言えよ」 「あっ、やっぱり、ひまなんだ!」 「なんだよ。早く言えよ」 拓にぃは、必死に照れ隠しをしているようだった。 「明日ね、今、お世話になってる五十嵐さんって方のお屋敷で、クリスマスパーティーがあるの。 仲良くしている男性がいらしたらエスコートしていただいて、一緒にどうぞって言われてて。 拓にぃ、一緒に行ってくれない?」 赤信号に引っ掛かり、拓にぃが、ゆっくりとブレーキを踏んだ。 「まぁ、人選は、間違ってないな」 「でしょっ」 「だけどな、璃子……」 言いながら、拓にぃは、ゆっくり顔をあたしに向けて続けた。
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