ずっとそばにいてくれたね 第39話

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******** 薫さんと和也さんと、あたしは、ゲンさんと時田さんの背中を見送っていた。 姿が見えなくなるのを確認した薫さんは、そっと頭を下げて、和也さんとあたしを残すと、静かに屋敷へと戻って行った。 あたしは、ゆっくりとお屋敷の周りを見渡した。 「あっ……」 いつも歩いて通る並木道が、電飾で鮮やかに彩られている。 電飾の飾りつけが、施されていることは知っていたけど、いつもは、まだ明るいうちに帰宅するから、こうして輝いている姿を見ることは初めてだった。 「少し歩こうか?」 「……うん」 和也さんの声に、小さく頷いた。 光のトンネルが、温かな光を放っている。 いつもとは違う景色に、心が踊った。 白い吐息を吐きながら、ゆっくりとふたり並んで歩く。 周りの木々や花たちが、まるで寝たフリでもして、息を潜めて見守ってくれているような…… そんな不思議な静寂に包まれていた。 「疲れたんじゃない?」 「ううん」 「なら、よかった」 ゆっくりと歩みを重ねながら、ぽつりぽつりと会話が交わされる。 あたしは、ふたりっきりの今に、少しだけ落ち着きを取り戻していた。
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