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「驚かせたね……」
「……昨日、和也さんに逢った瞬間から、ずっと驚きっぱなしだよ」
にっこり微笑みながら和也さんを見上げる。
和也さんは、なぜか?神妙な表情を浮かべていた。
「……ごめん」
「何が?」
「騙すつもりはなかったんだ」
和也さんは、薫さんも言っていた『いろいろな事情』を話そうとしているようだった。
「和也さん、あたし騙されたなんて、思ってないよ……」
笑顔で見上げたあたしに、和也さんは、少しだけ微笑みを返してくれた。
「……ありがとう、璃子。
でも、ほんの少しだけ、俺に言い訳をさせてくれないか?」
「えっ……言い訳?」
「あぁ、少しだけ聞いて欲しい」
「……うん」
和也さんの真剣な眼差しに、あたしは小さく頷いた。
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