ずっとそばにいてくれたね 第39話

17/40
前へ
/40ページ
次へ
「あの日、岩崎社長から、ニューヨークに電話が入ったんだ。 璃子、キミが辞表を出したと……。 青木の常軌を逸した嫌がらせ……、俺そして、会社に迷惑をかけまいと、下したキミの決断、すべてに驚かされたよ。 渡グループと青木との確執には、キミだけは巻き込みたくなかったし、余計な心配はかけたくなかった。 だから璃子、キミには敢えて、何にも伝えない事にしていたんだけどね。 でも、結果、キミに一番辛い思いをさせてしまった…… 自分の読みの甘さ、そばにいてやれない悔しさを痛感したよ。 このまま、璃子は俺の前からいなくなるかもしれない…… そう思った俺は、ここを紹介して欲しいと、岩崎社長にお願いしたんだ」 「……」 あたしは、和也さんの告白を、ジッとただ黙って聞いていた。 「すべては、俺のエゴだよ」 「……エゴ?」 「あぁ、どんなことがあっても、璃子を、離したくないっていう、俺の……エゴ」 和也さんの視線が、あたしの心を射抜く。 「他の誰にも……璃子を奪われたくなかった……」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1952人が本棚に入れています
本棚に追加