ずっとそばにいてくれたね 第39話

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「璃子には、頭の中を整理して、一度リセットする環境と、時間が必要だと思ったんだ。 今までとは、180度違う環境の中で、この世に只ひとりの『桜井璃子』として、もう一度、俺を見つめ直して欲しかったんだ」 そうだったんだ…… そこまで考えて…… 「まあ、姉さんはすぐに、気づいたみたいだけどね……」 あたしは何も知らずに…… 薫さんに、和也さんへの想いを…… あたしは、冬空の下で、顔が火照ってしかたなかった。 「俺にとっても、大きな賭けだったんだよ。 そして、璃子は俺の想いに、しっかり応えてくれていた……」 和也さんの眼差しが、優しくあたしを、肯定してくれている。 「でも、驚いたのは、璃子だけじゃないよ。 祖父と、璃子が知り合うなんて事までは、さすがに、予想も期待もしてなかった。 ましてや、あんなに仲良くなってるなんて…… それこそ、俺にとっての、最大のサプライズだったよ」 和也さんは、軽く微笑みながら続けた。 「本当は、もっときちんと璃子と話をしてから、祖父に会わせるつもりだったけど…… 急に、パーティーにも誘われて、いい意味ですっかり、予定が狂ってしまった。 ……だけど、さっき、祖父に告げた気持ちは、紛れもない、俺の本当の気持ちなんだ」
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