◇◇ 第51章 あなたのもとへ ◇◇

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******** トントン…… 開け放しているはずの専務室の扉が、ノックされる。 ……ん? 見れば、長い足を組ませ、扉にもたれて立っている隼人が、俺の様子を窺っていた。 「おはよう専務」 茶化すかのように、ニヤニヤ笑みを浮かべている。 「おはようございます、社長」 俺は、さらりと挨拶を返した。 「昨夜の案件は、どうなったかな?」 隼人が、聞きたいのは、もちろん桜井家での結末。 冴子の所に行った時に、自分が味わった気持ちを共有でもしたいのだろうか? 「それなりに……」 「それなりにじゃあ、わからないだろう? 詳しく経緯を報告してくれ」 ニヤリと笑みを浮かべて、さらに突っ込む。 こういう時の隼人は、いつにも増してイキイキしてるから、始末に悪い。
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