◇◇ 第51章 あなたのもとへ ◇◇

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「滞りなく完了しました」 「ふーん、随分と淡白な報告だな? もっとこう、刺激的な武勇伝を聞きたかったんだが?」 「フッ、そんな話はないよ」 「和也君、相変わらず釣れないね?」 まったく……、好奇心旺盛なヤツだ。 だが、いろいろと気を回してくれた事には、感謝しなくては。 プライベートでは、人に頼るなんて、絶対に嫌な俺だが、今回ばかりは、みんなの惜しみない協力が、本当に有難かった…… 改めて、仲間の存在の大きさを痛感させられた…… 「……皆のおかげで、本当に何もかも、うまくいったよ」 書類を見ながら、俺は、ガラじゃない素直な気持ちを漏らす。 「よかったな」 えっ!? 見れば、隼人が、珍しく真面目な表情に変わっていた。 「あぁ。ありがとう」 互いに、それ以上は言葉にしない。 だが、隼人の瞳からは、安堵の気持ちが読み取れた。 「じゃあ、これからも、しっかり頼むぞ」 軽く左手を挙げた隼人は、いつもの涼しげな微笑みを残して、扉を離れた。 やれやれ……隼人には、しばらく頭が上がらないな…… 俺は資料に視線を戻しながら、そっと微笑んだ。
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