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師走なんて、よく言ったもので、あっという間の数日が過ぎ、待ちに待った御用納めの日が来た。
『遅くなっても、迎えに行くよ』と言われてたけれど、やっぱり、少しでも早く和也さんに逢いたい。
あたしは、五十嵐邸からの帰りに、そのまま快速に飛び乗ろうと、お泊まりセットを準備して、出勤していた。
14時を過ぎた頃――
年内最後となる発送商品の梱包作業を終え、玄関先に荷物を運ぶと、あたしは、「ふぅーっ」と一息ついた。
外の冷たい空気に当たりたくて、玄関先から、そのまま表に出る。
少し、火照った身体には、冷たい風が心地よかった。
本当に、色々あった一年だったなぁ……こういうのを波乱万丈!?っていうのかな。
23年の人生の中で、いちばん泣いて、苦しんで……そして最高に幸せな締めくくり……
私も、少しは強くなれたかな?そして、大人の女性として成長出来たかな?和也さん……
頭の中で、また『妄想列車』が走り出そうとした、その時。
「璃子ちゃーん!」
「はーい、ただ今!」
中から、薫さんの声が聞こえ、急いで屋敷の中へ戻った。
「璃子ちゃん、仕事納めお疲れさまでした。今日は、これであがっていいわよ」
「えっ!?」
予想外の言葉に、思わず驚きの声を上げた。
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