◇◇ 最終章 永遠の誓い ◇◇

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モッコウバラの小道を抜けた先に、大きく広がる芝生の広場。 その先には、満開を迎えた桜の樹が、雄大にその両腕を広げ、父とあたしを迎え入れる。 まだまだ続くバージンロード。 感謝の想いを伝えるには、充分すぎる道が用意されていた。 ゆっくりと、芝生の広場に足を踏み入れる。 芝生の緑の絨毯の上に立つのは、あたしの王子様。 一歩一歩、和也さんへと近づいてゆく。 正装した姿なんて見慣れているはずなのに…… 白の膝あたりまでのフロックコートの和也さんは、まさに王子様と言わんばかりの神々しさを放っている。 全身に見とれながら、瞳を見れば、バチッと合った視線に釘付けになる。 甘いマスクと微笑みは、さらに、あたしを蕩けさせた。 ゆっくり父と歩み寄り、和也さんの前に立つ。 和也さんが、ゆっくりと父に頭を下げた。 「和也君。璃子のこと、どうぞ末長くよろしくお願いいたします」
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