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「食べちゃいたいくらいに、かわいいわぁ」
「おっ、由香里ちゃん、解ってるねぇ」
「寺坂さん。きっと、松本部長、そう言いますよ」
「うん、アイツ言うね。でも、どうかな?ムッツリだから、心の中で思ってるだけかも知れないよ」
和也さんの先輩で、ブティックのオーナーの寺坂さんが、直々に、あたしのウェディングドレスの手直しをしながら答える。
「あーっ、解りますそれ!ポーカーフェイスかまして、エロいこと、考えてますよ、絶対!」
すっかり、仲良くなった寺坂さんと村上姉さんが、盛り上がってる。
和也さんとの再会した、例のクリスマスパーティーで、ドレスを提供していただいたご縁から、すっかり意気投合しちゃってます。
「ねぇ、寺坂さん。私の時も、素敵なウェディングドレスお願いしますね」
「冴子。お前の時には、こんなに布が要らないだろ?」
「えーっ、じゃあ、どんなイメージです?」
「冴子。お前の時には、ウェディング業界に、革命を起こすぞ!」
「革命!?」
「あぁ、まさかのパレオを巻いただけの、露出度抜群の花嫁のお披露目だ!
隼人には許可もらってるから、任せとけ!」
「ええっ!?楽しみ♪取材も来るから、派手にお願いしますね」
「俺も、力が入るよ」
露出度抜群の花嫁……って、いいんですか?
そんなに喜んで?
仮にも、財閥令嬢なのに……
「あっ、寺坂さん。あと、もうひとり今年中に、ウェディングドレスの発注があるかもしれませんよ。
ねぇーっ、美紅」
「ちょ、ちょっと由香里、やめてよ。まだ、私たちは、そんな……」
「あっ!『私たち』だって。もう、一心同体じゃん」
「由香里!」
「美紅ったら、照れない照れない」
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