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和也さんと並んで芝生を歩く。
枝だけの桜の樹と、ゲンさんが迎えてくれた。
「よく来たね」
「お祖父様、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します」
和也さんの挨拶に、一緒に頭を下げた。
「あぁ、こちらこそ」
ゲンさんは、椅子からゆっくりと立ち上がった。
「今日は、どうしたんだい?」
「ええ。璃子を、両親に紹介しまして、結婚についてのお話をさせていただきました。その帰りです」
「そうだったのか。
それは、璃子ちゃん緊張しただろう?」
「はい、とても」
あたしは、恥じらいの笑顔を向けた。
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