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その時、この桜の樹が、ゲンさんと、美千代さんの思い出の場所であることを思い出した。 同時に、ひとつのアイデアが思い浮かんだ! 思わず勢い良く和也さんを見上げる。 和也さんも、同じことを思いついたようだった。 「いいよ」 和也さんが、あたしの考えに同意をするように、頷いた。 「ゲンさん」 「なんだい璃子ちゃん」 「あの、もし、ご迷惑でなければ、ここで、和也さんとあたしの結婚式を挙げさせて頂けませんか?」 「ここで?」 「はい。 この、ゲンさんと美千代さんの思い出の場所でもあり、ゲンさんとあたしを結びつけてくれた場所を、今度は、あたしと和也さんの思い出の場所にさせていただけないでしょうか」
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