【第26話】もうひとつの決着

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  「……あー、ちょっと、浮かれてたの、かも」 静かな空間でそう呟くと、妙な気合いが入っていた自分にも笑えてくる。 何だか、気負ってた分、力が抜けた。 少しだけ息を抜きたくなって、一階に着くと自販機のあるスペースへと寄ることにした。 お気に入りの紅茶の缶を拾い上げ、ロビーへ向かおうと顔を上げると。 エントランスの向こうから、男性が入ってくるのが見えた。 ……長瀬、だ。 そう認識した途端、気の抜けていた私の心臓は急に忙しなく動き出す。 こんなところでばったり会えるなんて、思っていなかった。 向こうからは、まだ私の姿は確認できないだろう。 私は彼に声をかけようと、柱の影から一歩踏み出そうとした。 .
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