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昨日の彼女の言動やこれまでの振る舞いが、不意に頭を過る。
敵意に満ちた強い視線が、私を動けなくさせるのではと思ったことさえも。
そして……あの暗がりの中で、長瀬の腕の中に収まっていたことが、まるでその現場を見た瞬間のときのように甦ってきた。
浮かれていて忘れていた。
遠い記憶みたいに感じていた。
けれど、そうだ。
まだ終わっていなかったんだ。
彼女と長瀬の間にあるものは……終わっては、いなかった。
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