夢諦め日常へ

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夢諦め日常へ

国敗れて山河有り。 では、夢敗れて何が残る? 高校時代にカラオケで90台や100を連発! 友達に「歌手になれんじゃね」って言われ続けてついな。 でも、単身で飛び出す勇気もない訳で… 東京の三流大学。 そんな所でも出ていれば地元の中小企業なら就職できる。 まぁ、その程度の地方だな。 大学の受講料も他の大学に比べると、異常に安い。 (どうせ歌手になるんだし) そんなバカなことを考えていた俺を殴りたい。 現実はそんなに甘くない。 安いとは言え、受講料は払わないとならない。 安い下宿先を見付けて入ったが… 安いと言っても東京基準でだ。 食費、交通費、下宿代に受講料… 親の仕送りでは間に合わない。 当然、バイトに追われる日々となる。 受講に課題。 これにコンパなどの人付き合い。 歌手? 寝言は寝て言え。 それでも、ボイススクールに行ったりな。 そこで自信を無くす訳さ。 上には上がいるってな。 それでも頑張って通ったさ。 けどな。 俺レベルなんてゴロゴロいる訳で… でも、在学中は通ったぞ。 親には内緒だから、バイト代でな。 だからバイトを増やして頑張ったさ。 地元に帰ったら、夢も追えないだろう。 今だけ。 流石に俺も、それは悟っている。 だから、今を楽しむさ。 そんなことを思っていた。 アンタは正しい。 そう、当時の俺へ告げたい。 ボイストレーニングは今でもやっている。 最早日課だな。 大学時代に挫折して、オーデションも受けずに地元へ。 中小企業にコネで潜り込んだ俺。 仕事はラインの作業員。 大学出てこれか… まぁ三流大学だしな。 ただ、歓迎会でカラオケ歌って部署替えってな。 上手い歌は営業に使えるってさ。 急遽営業に。 営業を叩き込まれたさ。 そして接待で歌う。 セミプロ扱い。 接待で使うクラブからは、歌いのバイト依頼。 持ちつ持たれつの間柄。 上司に命じられてバイトだな。 会社公認でのバイト。 給料とバイト代。 リッチでしたよ。 何か? あの時代。 バブルの絶頂期。 ずっと続くなんて思っていた。 そんな泡は続かない訳で… パチンとハジケましたよ、バブル君。 何すんねん。
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