ーー1日目ーー

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「イヤ?」 イヤ? と聞かれれば、 イヤではない自分に気づいてしまった。 「ダメ?」 ダメ? と聞かれれば、 ダメではない。と思ってる自分にも気づかされる… でも、 どう伝えればいいの? 黙ったまま、見つめていたら、 目の前の湖色の宝石二つが、ウルウルしはじめた。 ポロポロ。 透明な玉が、宝石から溢れ出している。 綺麗。 宝石が、宝石を産んでるみたい。 思わず、頬を伝う宝石をすくい取る。 あったかい。 冷たい涙を、あたたかく感じるなんて、 ヘンかもしれない… なぜ泣いているのか、 気にするべきなのかもしれない… けれど、 そんなことより、 手から伝わる、肌の感触が、 気持ちイイ。 もっと、触りたい… 答えの代わりに、 自分から、抱きついた…
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