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目の前、
メイドさんと私の間に割り込んで、
「Ma cherie…」
あの、日本語で話しなさい。
そう言ったあなたが、フランス語。ですけど?
Ma cherie…
『私の愛しい人』
私のコト?
まさか?
湖色の瞳に映る自分の顔を、
不思議そうに見つめる私。
を、優しく見つめる銀髪のヒト。
「目覚めた第一声が、ソレですか?」
口調は柔らかいけど、
少し、笑いが混ざってる…
「あなたは全く、変わっていませんね。」
アナタハマッタク、カワッテイマセンネ。
頭の中で、言葉の意味を探す。
その言葉の意味、
違っていなければ、
銀髪のヒトは、私を知っている。ということ?
…
私は、知らないのに?
メイドさんに救いを、求めようとしても、
無表情のまま、
目線すら、合わない…
フワリ。
鼻に届く匂い…
知らないような、
知っているような、
匂い…
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