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なのに、
メイドさんは、無表情のまま、
「失礼いたします。」
と、私のスーツのボタンに手をかけた。
とっさに、ボタンを押さえて、
「自分で出来ます。」
言っちゃった…
『着替えません。』
って言うべきだった…
「いえ、これは、私の仕事です。
奥さまは、私の仕事を取り上げてはいけません。」
奥さま？
私、まだ、独身。
のはず。
奥さま。
既婚女性のこと。
ご主人さまと対の言葉。
メイドさんが、
『ご主人さま。』
と呼ぶさっきのヒト。
脳が固まると、
身体も固まるんだ…
ボタンを全部外されて、
ハッとして、
「あの、私、奥さまじゃないです！」
「…」
無表情の無言…
手だけが動く。
「だから、自分で出来ますし、、」
「…」
コレは、
聞こえているのに、聞こえないフリされてる？
なんで？
スカートのファスナーに手がかけられて、
下ろされようとしてる。
スカートのファスナー押さえたら、
ブラウスを脱がされる。
「あの、日本の方ですよね？
私、日本の一般人です。
こんなこと、慣れてないの、わかりますよね？」
少しだけ、口角が上がったように見えた。
けど、
さすが、プロ。
スーツ脱がされて、
着させられた、ベビーピンクのドレス…
背中が、スースーする…
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