white room

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お兄ちゃんが扉をノックすると、部屋の奥から低い声が返ってきた。   「開けるぞ」   お兄ちゃんはドアノブに手を伸ばし、回した。 いよいよ、完璧なオーナーとご対面。どうしよう、一目ぼれってあるのかな?恋が始まる瞬間だったりして・・・   扉が開いた瞬間、私は目を丸くした。   「え?・・・何この部屋・・・」 壁もカーペットも革張りのソファも間接照明も奥に見えるベッドも・・・赤、朱、紅、緋色!赤、一色だった。   思わず、声に出てしまった。慌てて、口許を押さえる。 お兄ちゃんは聞こえなかったのか部屋の中へと進んで行った。 真っ赤な革張りのソファで横になっていた男がむくりと立ち上がった。
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