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「何だ、葵の妹っていうからどんな美人かと思ったら、色気のねぇガキじゃんか」
とお兄ちゃんに言い放った。
「確かに色気はないけど、本人目の前にして言うようなことじゃないだろ?仮にも俺の妹だし、初対面だし」
そうそうって、色気ない下りは肯定?思わず、ムッとした気持ちが顔に出る。
「よろしく、チビ」
紅虎は大きな手の平で私の頭をがっと掴むとわしわしと撫でた。力が強くて首が痛くなった。
「これ、部屋の鍵と、家の鍵だから。家のルールはしっかり者の葵に聞いとくように。オーナーからは以上。じゃ、ゲームの続きするから出てってくれ」
ソファの前のテーブルの上に置かれた真っ白な鍵、2つを手に握らされ、お兄ちゃんと私は紅虎に背中を押されて、部屋を追い出された。
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