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「で、その風紀委員長が俺に何の用だ?」
「や、別に用は無いねん」
「は?」
じゃあなんでわざわざ俺が一人になるのを狙って声をかけてきたんだ?
睨むとニコニコと笑い返される
…ニコニコというよりは、俺の反応を見て楽しんでニヤニヤしてる感じだな
「ただ、君に興味があっただけ」
相変わらずニヤニヤした顔でそう告げる
「……はぁ?」
「ほんっと話に聞いて想像してた人物と大分違うわwwwもっと可愛いらしい性格しとると思っとったのに…ww」
「可愛らしい性格じゃなくて悪かったな」
「拗ねんでもええやんー」
「拗ねてない」
「ぶっww口を尖らしてる奴が何言うてんねん」
なんでお面つけてるのにわかるんだ!?
い、いや、別に尖らせてないからな
その時
「む!?」
「わー伸びる伸びるー」
風紀委員長が近づいてきたかと思うと唇をお面の下から抓まれる
「んー!!んー!!」
上手く口を開けることができないので、言葉を発することができない
「何言ってるかわからんなぁ」
ならそんなに楽しそうにしてないで離せよ
風紀委員長の体を押して離れさせようとしてもびくともしない
ピンポンパンポーン
『残り10分となりました。みなさん頑張ってください』
校内放送がなった
もうそんなに時間が経ったのか
「…早いなぁ。じゃあそろそろ俺らも体育館に戻ろか」
「ん?」
俺の唇を抓んだまま反対側の手で最初に付けていた般若のお面を取り出し、それを再び顔に着けた
そして、手が俺の顔に伸びてくる
「!?」
「中田優ちゃん捕まえた♪」
そう言い、風紀委員長は俺のお面を取った
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