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フルカネルは伝説的な人物で、「賢者の石」で不死になったという逸話があり、13世紀のノートルダム寺院の改築に携わったという。
全世界に300万人の結社員を誇る世界最大の秘密結社。
世界の主要都市に結社の施設がある。
過去の結社員として噂されているのが、
ノストラダムス、カリオストロ、モーツァルト、シューバイツァー、パスツール等がいる。
都市伝説では、世界征服の陰謀を持つ秘密結社で有名である。
およそ、このような逸話を、芦屋は明日馬に説明した。
「現内閣では、厚生大臣がメディソンのメンバーだといわれているな」
芦屋が思い出したように付け加えた。
「そのフル・メディソンが、件の予言を各国政府に流す見返りに、件の誘拐隠蔽に加担させているらしいですね」
真鍋が苦々しく言った。
「なるほどな、人災にしろ天災にしろ、必ず当たる予言だったら、どの政府も喉から手が出る程欲しいだろうな」
「でも、件のストックが常時ある訳ではないのです。
先程説明した通り、件の寿命は短いんです。
件に変異するメカニズムは不明なのですが、遺伝子レベルで細胞変異が行われています。
HeLa細胞に似た無限増殖性をもつ不死化細胞で、我々は『Kudan(クダン)細胞』と名付けました。
HeLa細胞とは、1951年ヘンリエッタ・ラックスという黒人女性の「子宮癌」から分離した癌細胞です。
海外の者は、日本名を嫌がって『Minotaurus細胞』と呼んでいますがね。
その『Kudan(クダン)細胞』の急速な侵食によって、件に変異した人体が耐えられず自滅、死んでしまいます。
それ以外に、何故か決まった年の末に、ごっそりと件が何処かに運ばれてしまうんです・・・」
真鍋の声が震えている。
「真鍋さんよ、あんたそこまで解っていながら、良心の呵責が無かったのかい?」
芦屋が目をむいて、真鍋に食って掛かる。
「・・・ありました。
だから、件を人間に戻す為に、自分は懸命に研究したんです!」
真鍋が急に車を停め、ハンドルに頭を突っ伏した。
「自分は助けようとしたんです!
犠牲者達を切り刻み、酷い実験をしても、それでも助けられなかった」
「・・・だったら、どうして今になってー」
「息子が、息子が件に変わって、奴らに攫われたんです!」
真鍋がハンドルに頭をぶつけ、苦しく呻いた。
「囚われている件を助けたいので、協力者を探していたんです」
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