プロローグ

3/4
前へ
/13ページ
次へ
「うわぁ~ やっぱり夜だと、昼間とは違った景色に見えるね。」 夜の散歩の終点は、いつも遊んでいる公園 ほとんど毎日来ているというのに、時間帯が違うだけでお前はとても楽しそうに見えた 「そんなに騒いでると転ぶぞ。むしろ、転べ。」 「ひどいなぁ、大丈夫だって。ほら、こっちおいでよ!」 「あ、ちょっ、待てよ!」 僕の言葉も聞かずに手をぐいぐい引っ張って先を進む 転ばないように必死に後を着いて行けば、たどり着いたのは大きな噴水の前 「ったく、転んだらどうしてくれんだよ。」 「あははっゴメンゴメン。つい楽しくって。」 そう言って噴水の淵に立つお前 僕は呆れながらも淵に座る 「なぁ、俺話したいことがあるんだ~。聞いてくれるー?」 「あー?なんだ?」 足をぶらぶらと揺らしながら返事をした この時、僕はその話が重大なものだとは欠片も思わなかった もしかしたら、そう思われるようにお前が話したのかもしれない 「俺ね、もう彼処を出ようと思うんだ。」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加