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「うわぁ~ やっぱり夜だと、昼間とは違った景色に見えるね。」
夜の散歩の終点は、いつも遊んでいる公園
ほとんど毎日来ているというのに、時間帯が違うだけでお前はとても楽しそうに見えた
「そんなに騒いでると転ぶぞ。むしろ、転べ。」
「ひどいなぁ、大丈夫だって。ほら、こっちおいでよ!」
「あ、ちょっ、待てよ!」
僕の言葉も聞かずに手をぐいぐい引っ張って先を進む
転ばないように必死に後を着いて行けば、たどり着いたのは大きな噴水の前
「ったく、転んだらどうしてくれんだよ。」
「あははっゴメンゴメン。つい楽しくって。」
そう言って噴水の淵に立つお前
僕は呆れながらも淵に座る
「なぁ、俺話したいことがあるんだ~。聞いてくれるー?」
「あー?なんだ?」
足をぶらぶらと揺らしながら返事をした
この時、僕はその話が重大なものだとは欠片も思わなかった
もしかしたら、そう思われるようにお前が話したのかもしれない
「俺ね、もう彼処を出ようと思うんだ。」
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