mission7 超問題児のアイドルを説得せよ!?

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「上谷さんが大人しく私の言う通りにしてくれるのであれば冗談で終わります。ですがもし取引の件をうっかり誰かに喋ろうものなら……次の日テレビの前で頭を下げて謝っているのは誰になるでしょうね」 それはもはや取引と呼べる話ではなく、単純な脅迫としか言えない内容であった。 自分の警戒心の無さもそうだが、笹原さんに言われた通りどんな立場でここに立っているかを完全に忘れていた自分に腹が立ってしまう。 「目的は何なんですか。あとこれだけはハッキリと言っておきますが、仮に笹原さんがメンバーになった後もその写真で脅すようなら、俺はすぐに付き人を辞めます」 自分で招いた災いを舞たちに移すわけにはいかないと思い、すぐさまそう決断したのだが……。 笹原さんはため息を一つ吐き、首を横に振りながら俺を嘲笑った。 「潔さは認めますが、貴方はまだ何も分かっていない。貴方は舞さんの付き人をしているという事実が業界に知られてるんです。つまり辞めた後も、写真が出回れば責任を取るのは舞さんなんですよ」 「……っ!?」 「私にとって貴方が現か元かなんてどっちでもいいんです。これで少しは理解してくれたと思いますが、一応言っておきますと……もう貴方に逃げる場所なんてないんですよ」
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